ベネズエラの夜に、/e.mei
1
(記号が離れていく)
(この消失の先にある果ては海ではないと少女は言う。
あれはリベラだ)
近く、震える目蓋が幻影の旅団を打ち倒し俺はベネズエラへと旅に出る。
「春になるまでには約束をはたそうではないか」
降り終えた雪がホセの肩から音もたてずに落ちた。白髪が輝いた瞬間を目撃したのは俺のダブルクロスカウンタ―。(あいつが、祭壇から、消えた……?)俺は嘔吐する。繰り返す涙橋からの通信を無視し、俺はなによりも大きな観音を殴り飛ばした。慌てる住職にハンケチを手渡してドランクという言葉を海へと流す。反動が涙となるのだ。俺は愛を殺した。愛よりも拳に生きてきた。冷たい雨
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)