まごころを君に、/e.mei
 

 こぽこぽ溢れだした先生はもう見えなくなった
 学校ってこわいな
 こわい
 教室のなかには水がなく 溺れている人も いない 今は
 飛び込む水もない
 流れていかないでよ、先生、
流れていかないで
 ――いかないで ……)


 あ、 ねえ、 ほら
また猫がないたでしょう
今度は少し遠いね
終わってしまうと不思議と何の違和感もなくわたしは
ひとつの光のように
なりたかっただけ
なんだって
知らない人には教えない
大切な秘密
教室に忘れてきてしまった光はすぐにちらばってわたしは
裂け目を探さなければならない


遅れてきたチャイム
どこにいけばいいのかなんてだれにもわからないって
先生がわたしに
内緒で教えてくれた
ふたりだけの秘密は
夢の続き
水の音 とぷん
夢の続きに とぷん


さよならしてる
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