宇宙船のふたり/吉岡ペペロ
カミナリが紫白いろに夜を暴いて
さなぎのなかの
生物を見るような緊張を散らした
あなたのことをしばらく想う
宇宙船にのりこんだ
おおぜいのなかの二人になっていた
あなたの不安や昂揚を
知恵の輪するみたいにじぶんに重ねた
いや、その逆だったのかも知れない
孤独すらひとりでは感じられないのだ
この船はどこまでゆくんだろう
この孤独はどこまでゆくんだろう
カミナリが紫白いろに夜を暴いて
さなぎのなかの
生物を見るような緊張を散らした
あなたのことをしばらく想う
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