人嵐/tutty
面を追うのも困難になってきて
顔を拭う
ぶよぶよの額
時によれば、僕はアメンボみたいに世界を触れているだけなのかな
五十行消して
石になっても石の気持ちは分からないな
気付いた事がある
例えば
言葉に正直であることと、正直な言葉で話す事の違いや
もっとはっきり言えば
神話を棄てた神目線の奴らのことになる
街は寝た振りをしているが、溶けだしている!
客観性が自意識もビルも溶かし始める
溶けた僕の隣りの溶けたキミ、目線が落ちる
流れる排水溝はアイルランドまで繋がっているだろうがキミは見つけられないだろうしどうせ変わらないだろうよ
路地は反復を繰り返す
酒屋の領収書は血管の蛋白源さ
柔らかな関係を固くするには手荒なんだ
僕はネオンをよけて橋の下川べりに座り
五十光年先の星明かりで本を開く
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