六角形の咆哮/秋也
在来線
終点
5つ前
世相が淫気に騒がしくて
興奮するから
蜂たちが地下鉄のプラットホームに整列し
電車で森へ帰宅する
羽音とソワァーでの戯れ
どちらが不愉快
咀嚼音
女王を守ろうと
顎を鳴らし
負けじと愛撫する
刺したら昇天
たった1回のエクスタシー
「私達ハ連結部分ヤ運転席後ろデ行為ヲ始めません」
はるか昔
国鉄時代からのピンクな宣誓
車内に取り付けられた
丈夫な網棚ではじめるから
座席が蜜で濡れすぎとの車掌報告
歴史は黙さず語るだが
それも行為あってのこと
花はないけど
死は迎えず
愛で生き残れと皮肉
去勢されようとも
はは
あはは
暑くてもゴム忘れんなよ
次で黄色のでかい紳士が乗ってくる
車内とはいえ
何回も射せる奴ら
ゴムしてなきゃ
安心できねえ
と女王
強い冷房でも納まり効かず
興奮しつつ
濡れすぎで
歴史に残る名台詞
残して
刺されて
大乱交
揺れる床に
もたれるシートに
壁際に
足の踏み場のない程の
まっ白い
人骨
さていつ滅びた
こんなにも乱れている
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