世界中の誰よりもっと/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
ングしてなにか得体の知れない悪だくみを企んでいるにちがいないのである。たくさん食べて頭に血が回らないくらいになれば悪い事など考えないのである、と勝手に思っている。そうだそうに違いないそのとおり。ということで彼はたくさん食べて胃がすっかり重くなったのでとりあえず菓子をもとい河岸を変えその辺の適当な飲み屋へ入った。
注文をとりあえずビールですませると彼はしばしぼうっとした。そしてふと天井付近にあるテレビを見た。何かのニュースが流れていた。見ると天狗のお面である。空飛ぶ天狗が現れたのである。彼は場所を知るべくアナウンサーの発する音声を一字一句聞き漏らさぬように努めた。場所は新宿から離れた六本木の、ヒ
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