世界中の誰よりもっと/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
うな気持ちになりつつ、疲れきった身体にムチを打ち秘術を口にした。たちまち堆く積もった白くやっかいなものが一瞬にして消える。
「どうぞ」
 彼の一言で店員によってドアが開けられた。店員は生臭い匂いの原因物質がまるでないことに不審な表情をしたが、気を取りなおし業務連絡を始めた。
「……生臭い匂いは、しないですね」
「そのお客さんの鼻が変だったんじゃないですか」
「どうもそのようですねえ……では、ただいまお客様の滞在時間が12時間を越えていますので、お会計の方一回清算させていただきます。フロントの方へ来ていただけますでしょうか」
「はい」
 彼は非常に疲れていたがそのことについてははっきり
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