青の発声【純色青色Escape-?】/北街かな
友の消息を求めるサイレンが反響し止まない
密室はすべもなく断絶を良しとして朽ちて次第に崩れる
手紙は送り返された
暗黒の結末を呑むならば
壁の背後が良いだろう
焦げ落ちる日暮れが似合うだろう
私に言える言葉など
そんなものは消えうせたのだ
敗北せる隣街から栄光の市街地までを貫く
純白のラインに寝そべって
誰かも、きみも、泣いているだろうよ
精神が音の速度を超えても
このエリアを越えられはしない
子供たちの食肉処理速度には公共修繕事業も間に合わぬ
肥え太った彼らは自重で亀裂に堕してゆく
有罪の母親は泣き崩れ
シャウトだけで国道は濡れてゆくのだ
短い人生と
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