ようすいの丘/e.mei
 



 世界はいつも濡れていて 陽射しが人々を焼こうともすぐ隣では雨滴が垂れていました


 四月 世界の中心 学校の工事は水の神様に赦される為
 海へと続く道を狭めていた街路樹をまずはじめに刈り取り
 三百年眠っていた忘れられた石は起こされてから一年を待たず再び眠りにつきます
 あなたの愛が終わる頃にわたしたちはまた醜くなってもう一度 記号に戻ろうとしている
 澱んだ水軒の川を下りてゆけばようすいの丘に僧侶の屍が飾られていて
 明るい雨に照り映えているのは静かな終末
 僧侶の屍が見る四月の海は光を滑らかに波へと移していって
 波が高くなればなるほど白い翼を持っているよう
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