a fair, brown, trembling woman/
月乃助
靴をはくべき ほんとうの主人の
ひとりさびしい
ゆがめられた 女を 手に取り
あたしは おろかに
振るえながら
いつまでも
靴が かわくのを
まっていた
*
せつないほど すがり かけだし
追い越したくて
追い越したと思った昔話 のように
あのとき
それが、そうだと信じていた
もう けして
戻れない のに
赤く染まった 靴を はいてしまった日
の、靴物語り
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