あいつ/番田 
 
働こうとしていろいろな思いは膨らんだ
亡骸にすがりつくようにする
ドラッグの手ばかりで

夢で 今頃東京で地を踏んだのだと

あの世へ考えた
マンハッタンでは海がとても赤茶色で
女たちの歌うゴスペルが聞こえて

楽しそうに死んでいった
高らかな声のあいつを思い続けて
そしてそんな通りから

霞みゆくハーレムのコーヒーを飲む

一つ一つがあの車の中のように
幸せばかりなのなら
夕焼けに飛んでいきたかった

汚れた手のままで生きていると
死んだことに潜りたくなっていく
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