心が運動している詩集 藤井わらび『むらさきの海』/イダヅカマコト
「心で書かれた詩」という言葉を話すとき、藤井わらびさんの『むらさきの海』を外
すことはできません。
外すことのできない理由は、連動していることです。
連動しているのは、彼女の考えていることと、彼女の見えているもの。そして彼女の言葉の三つです。
詩を書き続けるということは、常にこの三つが連動してあたらしい何かを作っているのだと思います。
でも、『むらさきの海』ではその運動がひとつの詩集の中で深まっていく流れが楽しめます。
私が好きな詩は二編目の『私を支える大地』。
{引用=私を支える大地
人の温かさを受け入れられなくなっているときは
もう自分ではないでしょう
ただ
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