地球の子/瑠王
こっそりベッドを脱け出して
(嗄(しわが)れたシャツのまま)
音をたてないように
(ドアノブを引いて)
土手へと向かう
(ホテルから見えた)
暫く歩いた
(犬が見てる)
座る
(壮大な僕の椅子)
草の上に横たわって
(今日は死んだふりをしていよう)
蟻たちはお構いなし
(からだの上に迷い込んでくる)
彼らにとっても僕は 自然の一部なんだろう
(僕らが彼らをそう思うように)
金持ちがワインの涙を流す
(そんなことはない)
聖者の涙だけが美しい
(わけでもない)
涙はみな 塩の味だ
何処かに靴を忘れ
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