名前も知らない/アズアミ
 
名前も知らない私達はいつも
同じホームで、同じ空を見ていた
ただただ何も映さない瞳で

夏を知らせるのはいつの日か
先生でも、カレンダーでもなく
飲料水の広告となっていましたね

満員電車は何の疑問も持たず
どこからかやってくる
冷蔵庫にはたしか
飲みかけのコーラがあったはずだ、
なんて
思いながら
窓の外の活字を目で追う

あんなに大きかった小さな夢だけでは空も飛べず
幸せなんてものはきっと
自分を好きでいられるかどうかで
決まるんだと思ったよ

そうして私達は今日も
神の名前を口にすることなく
ただ幸せを探しにゆくんだ
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