「カラメル」/プル式
フリが上手くてごまかしていたが
いつバレるだろうかとびくびくしていた
自分では要領のいいつもりで
実はもうすっかりばれていたのだろうか
滑稽な僕
役立たずなカラメル
少し舐める位がちょうど良いカラメル
決して世界は飴色ではない
それさえ知らなかったカラメル
31年と半年と2日たった今日
ファミレスでカラメルコーヒーを飲んだ
鞄には裸の女と財布とフェイシャルティッシュ
僕が女から生まれて男になった日は冬で
僕が溶け出してカラメルになった今は夏だ
その繋がりに何があるかは知らない
それは知らなくても良い事なのかも知れない
甘すぎて苦すぎるカラメルは
それくらいで良いのかもしれない。
戻る 編 削 Point(2)