夏のカプセル/
小川 葉
梅雨明けが近づくと
朝焼けが色っぽい
夕焼けも色っぽい
一日のはじまりと
おしまいが色っぽい
夏が来るのだ
待ちきれずに染まるのだ
桃と橙を
混ぜたような
絵の具がしたした
落ちてくる
わたしを夏にするために
わたしを包む
カプセルを飲むために
夏は終わりとともに
やってくる
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