夏のカプセル/小川 葉
 
 
 
梅雨明けが近づくと
朝焼けが色っぽい
夕焼けも色っぽい
一日のはじまりと
おしまいが色っぽい
夏が来るのだ
待ちきれずに染まるのだ
桃と橙を
混ぜたような
絵の具がしたした
落ちてくる
わたしを夏にするために
わたしを包む
カプセルを飲むために
夏は終わりとともに
やってくる
 
 
戻る   Point(2)