森から/番田
誰にも会うこともないだろう
私はただただ自由で そこにテントを立て
腹ごしらえなどする胃でもなく
昼間の緑を進んでいった
街のことなど知ることもなく
そんな気がしている 夕暮れの空間を 流されていく
こうしていることが幸せなのだと
そんな風にして暗闇の中から自由になりたい
ありうべからぬ態度で柵を無視していった
そんなふうでも私は営業マンのようだった
社会のどこかから怒るつぶやきがした
曲がりくねりながらなぜか続く時間があった
けれど友達にすら見ることのない光を見たような気がする
モグラに足をとられても破れないスーツだろう
胃に穴を開けさせられた新入社員研修を思い出す
枝葉の交錯する彼方を見上げ その向こうに新しい生活を描きたい
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