食べもの/番田 
 
細かく、咀嚼されながら
私に必要とされた食べ物は
地下に、ある そして
時に巡っては 流されていくように

塊となって、けれど見た
骨だったのかもしれない、君には
私になっていない石畳にまぶしい
噛みちぎった、皿の上に

自分を、必要としているものに
眼を閉じて、やがて解放し
私であろうとするけれど 私ではない
太陽に沿って、夜をこえた そのとき

食べつくそうと
カチャリカチャリと、皮膚を膨らませる
昨日よりもっと、冷めた部屋に向かう
けれど人ではなく 誰にも なれずに


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