爆裂ねずみ花火/木屋 亞万
ゆる火薬を噴出して
体内のあらゆる火種を吹き流して
つまらないギャグを連発して
いやだーって叫びながら夜空で炸裂したかった
でも私は花火ではないから、花火にすべてを託した
夏が始まろうが終わろうが
私の身体があんなにも揺れて
あんなにも転げまわることはない
ねずみ花火みたいに、転がる石みたいに、動くことはもうない
誰にも知られていない真夜中の公園で、私は一人であることを知っている
原チャが何台来ようが、周辺住民が怒鳴ろうが
二人連れの自転車警官が現れようが
私は花火をするのをやめない、公園はここしかない、花火をする人は私しかいない
花火をできる場所は、公園しかない
それとも誰かの頭の中?腹の中?車の中?家の中?道路?マンション?コンビニ?商店街?
どこでやったって誰かが怒る、それならここでするまでだ
偉そうに説教垂れる警官が
双葉を踏んでいることだけが気になって仕方がない
私?
どこへでも連れてゆくがいい、どこにいたって、いないも同じ
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