てるてる坊主だけが/こめ
ああそうだったのか
机に書かれた小さな頃の落書きに
思い出し笑いをして
俺にもこんな時期があったんだなと
不覚にも年老いた感じになっていた
家の柱につけられたせいくらべの線の数々
少しずつ高くなっていく線に
懐かしみ涙を流す
僅かに開いた手の中には
小さな世界がめぐっていた
雨が降る日にせめて傘ぐらいは
さしてくれと願っていた
味方なのか敵なのか
その両方でしかしどちらでもなかった
そのうち雨がやんだら
虹の橋でもドライブしにいきましょうか
おかしなお菓子をほうばり
果てなく続く?を答え
色々な色の紙をひきちぎり
悲しみか無しと呟いて
何れ開くで有ろうと
扉の前で待っていた
楽園からの手紙には
招待状が同封されていけれど
僕なんかが楽園にいけるなど
到底思えなかった
雨降りあめぼうず
そしててるてる坊主だけが
僕の成長をかきしるしていた
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