湯気に煙るアンモナイト/
ゆうか
鏡に映るは頭蓋骨
湯気に煙るアンモナイト
砂場に描いた渦を飲み干し
喉に裂けるは根の無き林檎
音にはならず口惜しき様
無言の放射を裸体に感ず
(命あるものまるでただ
渇きを許す その為だけにあるかの如し)
否、
否、
否、
枯れ火の後に咲く花と
分化等しく待つ身を悶え
岩肌の影、震える雨の
その数一を拭うものとは
すなわち渇とは、
すなわち渇とは、
(命あるもの)
宵明けの酔い覚め惜しむ頭蓋骨
湯気に煙るアンモナイト
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