湯気に煙るアンモナイト/ゆうか
 

鏡に映るは頭蓋骨
湯気に煙るアンモナイト

砂場に描いた渦を飲み干し
喉に裂けるは根の無き林檎
音にはならず口惜しき様
無言の放射を裸体に感ず

(命あるものまるでただ
 渇きを許す その為だけにあるかの如し)

否、
否、
否、

枯れ火の後に咲く花と
分化等しく待つ身を悶え
岩肌の影、震える雨の
その数一を拭うものとは

すなわち渇とは、
すなわち渇とは、

(命あるもの)

宵明けの酔い覚め惜しむ頭蓋骨
湯気に煙るアンモナイト
戻る   Point(4)