消せない赤の記憶/
高橋魚
地面が赤く輝く
次々と生まれるルビー
祝砲と産声が織り成す交響曲は
誰の目にも美しいのだ
皆が同じ方向を向き
歓声があがれば
そこに美しさはある
逆を向いてはいけないし
向こうだなんて思わない
彼らもまた
祝砲が鳴り響く中で
産まれたのだから
祝砲が祝砲であるためには
同じ方向を向かなければならない
でなければ
ルビーは輝きを失う
耳を傾けろ
目を凝らせ
それは産声なのか
それは祝砲なのか
あなたにとっては
いつまでもルビーなのか
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