青色から、声以外のものを放棄する【純色青色Escape-?】/北街かな
心穏やかなままホロリ生まれた涙の一滴が
遠く千マイル ひこうき雲のわきに落ちて
じきに 光の速度も超えて こちらがわへとやってきます
もし 願うことが許されるなら
誰か街路の電線林まで
「この叫びを」…、高域で強く閃光するための言葉を
最後のただひとつを届けるための音を!
感受せしめてほしい
放つことに躊躇は無いから
二本足で逃走してゆくハトの自己同一性は飛翔だった
私の四肢も深刻な痛みを伴う程度の自壊性
気象があまりに残酷で
直立だけで精一杯です
高気圧線の周囲をめぐり
そこの音に耳を傾け
すべての人にも これを私の声としたけど
あなたは真に私を聞
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