よ、だ、れ/killkirin
 
白いキリンが真夜中にじぃっとこっちを見ている
瞬間を司っているのは彼だったのだ

染み入る群青に抗う力はもう私には残っていなかった
月が青白く光り続けていることに気づいてしまったから

そうだ
今まで集めてきた星屑は実のところただの石ころだったのだ
石ころたちは窓辺のテーブルに転がっている

柔らかい光に包まれているそれらがついさっきまで目を灼く程の光を放っていたと誰が信じられようか
もっとも私がもう信じていないのだから他の誰かが信じようが信じまいがもはや関係のないことであろうが

私の目はもう誰かに食べられてしまった
手足ももう誰かにへし折られてしまった
頭はこれか
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