どうせ世界は終わるやし/なかがわひろか
 
世界を救うんは
お前やから
そんな風に惚けたように
言う母親は
年の割には肌がきれいで
触りたくもなる

僕は頷いて
今後のプランを彼女に示すけれど
それにはそれほど興味は持たない

どうせ世界は終わるやし
どうせ世界は終わるやし

ゴロが気に入ったのか
今日は朝からずっと唱えとる

どうせ世界は終わるやし
どうせ世界は終わるやし

声を合わせると
ほっと世界が終わってくれる気がして

ねえ母さん
世界が終わったら
どこで待ち合わそうか
世界が終わったら
あなたはまた僕を産んでくれるかな

(「どうせ世界は終わるやし」)
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