かすれた午後の唐変木/ホロウ・シカエルボク
いびつな夢を見た
俺は古木で
切り倒されようとしていた
呪いをかけたぜ
チェインソーを
持った
県の役員の
心臓がピタッと止まるように
目覚めたとき
最後の日向が
ベランダの
向こうにあった
あー、
わけもなく感嘆符が
ぽろぽろ
ぽろぽろ
こぼれて
俺は
忘れられた歌になった
ちくしょうめ
英雄の死亡が
多すぎるこのところ
拠り所がなくなって
てめえの
貧相なツラばかりがよく見える
放りだせるほど
積み上げたものもまだないのに
神様
そっち
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