夢精卵。/末吉剛士 (from send-ence)
「一生のお願いです。
今日だけ私を癒してください。」
12月のある寒い夜のことだった。
別れて半年と少し。
ちらほらと連絡をとっていたものの、
元カノからのひさしぶりのメールが
こんな内容だったことに少し驚いた。
その晩、ボクはカノジョを抱いた。
2回の愛のないSEX。
無気力に腰を振る自分。
声もあげない彼女。
まるで、人形同士が抱き合っているような
とても冷たく、とても無機質なSEX。
でも、悲しいもので、お互いを知り尽くした僕らの体は
心と無関係なと
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