Rainbow/
薬堂氷太
牙を剥かない様に
もう誰も胸を掻き毟らない様に
世界に1つ 拳骨を入れてやりたい気分を
情けなくも 胸にしまい
焼け爛れた喉で歌を歌うのです
いつかもう少しだけ 勇気を手に入れた時
それはこの街と世界をつなぐ虹になるでしょう
それを夢見て
今は陰口のような 情けない歌声を響かせ
ただ心地のイイだけの街を歩く
そんな時 また、そばで手首が殺げる音を聞いたのだけれど
振り返るわけにはいかず
私は 泪を一粒落として
また歌い始めたのです
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