Rainbow/薬堂氷太
 
牙を剥かない様に
もう誰も胸を掻き毟らない様に

世界に1つ 拳骨を入れてやりたい気分を
情けなくも 胸にしまい

焼け爛れた喉で歌を歌うのです

いつかもう少しだけ 勇気を手に入れた時

それはこの街と世界をつなぐ虹になるでしょう

それを夢見て
今は陰口のような 情けない歌声を響かせ

ただ心地のイイだけの街を歩く

そんな時 また、そばで手首が殺げる音を聞いたのだけれど
振り返るわけにはいかず
私は 泪を一粒落として
また歌い始めたのです





戻る   Point(1)