Rainbow/薬堂氷太
煙草の煙が雲をかき消した
それは自由を羨む
私のささやかな抵抗なのかもしれない
降り注ぐ陽光は きっと
街を歪める様に
足元をすくう様に
はたまた、眩暈を誘うように
一歩一歩確かに かみ締めながら
歩く私の邪魔をする
行く所はもう決まっていて
虹を掲げて 私もその集団に
参戦するつもりなのだけれど
心との葛藤が 私を複雑な気持ちに誘うのです
こそこそと 吹き溜まりのような場所で
いそいそと 自分たちの世界に引きこもり
堂々と 周りの世界を否定する
井の中の蛙のような 街へようこそ
そこで私は ただ歌うだけ
もう誰も牙を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)