幸福島の話/
あおば
て
小学校に潜り込む
勉強をしたり
猫をからかったりしているうちに
学校は終わる
幸福と叫んだら
前から2番目の子が
後ろを向いた
人間の子供たちは
こんな手にはもう引っかからず
大人になるまでには幸福の入手法を学び
次は不幸せの番だと
懸命になって幸福を追い出して
いま、大海に漂っている小舟のように
不安定に揺れて
不幸せを楽しんでいるかのようだ
月は呆れてなにも言えなくなった
それだから
このごろの月は
無人の様子を見せている
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