珊瑚の夜/
草野大悟
ねえ、
無責任な風のふく夏にもどってみない
そこでは、ほら、弾ける水の音がする
草いきれの夜
満月のなかで
放精するぼくらの
赤い、あるいは、うす桃色の未来に
やあ、と声をかけて
あら、こんなところに
真実が死んでいる
なんて
月の光に囁いてみたりしてみない
戻る
編
削
Point
(3)