孤愁/霧笛
 
安寧のごとき孤愁をわれは恋ひ 棕櫚の葉擦れに耳傾けぬ

うからとも会へず やからとも遭へず居て 海水のごとく満ちくる鹹(から)さ

ものうげな雨 はじかれた飛沫はアスファルトを洗い続ける
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