滝/……とある蛙
 
流れ落ちる水は
千年前の水と変わることはなく
ただ重力の思う通り
落差のあるがままに
変わらぬ風景を作っている

そんなあり得ない話を信ずる訳も無く

流れ落ちる水は
削り取った岩の粉末と一緒に
削り取った岩の小片(かけら)と一緒に
重力にねじ曲げられながら
風景を変えてゆく

そんな当たり前の話を聞く耳は持たぬ

流れ落ちる水は
千年前とくらべ、いくぶんの疲れを感じながら
ゆったりと重力の助けを借りて
落差のまま、またゆったりと
まわりの風景に溶け込んでゆく

自然すら
意志を持ち生きている

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