空は人のかたちに似ていく/石田 圭太
 


+さみしい道

額からこぼれ落ちてくる
角を拾い集めて
ひとつずつ
きれいに並べていく
この道の先に
答えがあるのだろうか



+三年後

ひとつのメールを
眠ってしまうまで瞼に乗せて
明るい朝をまっている
朝なんて来なければいいのに
あの時の言葉の意味が
今やっとわかる



+ビオトープ

空に願いを植えたら
問題ばかりが生えてきた
そしてまばたきもやめて
生きてる意味を育ててる



+りんね

人は
人生の中で
ほんの僅かな時間だけ
ほんとうの詩人になれました
またあの場所へ行こうね
さまざまな理由をよけて
穏やかな表情をして
人々は
次の仕度を始めました
 
 
 

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