空は人のかたちに似ていく/石田 圭太
+さみしい道
額からこぼれ落ちてくる
角を拾い集めて
ひとつずつ
きれいに並べていく
この道の先に
答えがあるのだろうか
+三年後
ひとつのメールを
眠ってしまうまで瞼に乗せて
明るい朝をまっている
朝なんて来なければいいのに
あの時の言葉の意味が
今やっとわかる
+ビオトープ
空に願いを植えたら
問題ばかりが生えてきた
そしてまばたきもやめて
生きてる意味を育ててる
+りんね
人は
人生の中で
ほんの僅かな時間だけ
ほんとうの詩人になれました
またあの場所へ行こうね
さまざまな理由をよけて
穏やかな表情をして
人々は
次の仕度を始めました
戻る 編 削 Point(26)