水平線/小川 葉
曖昧な
水平線を見つめてる
曖昧なわたしは
空の青と
海の青の
見分けがつかない
ひとすじの
線となり
その向こうに
糸で縫い閉じられていく
待ち針を抜きながら
今日という日が
景色があるうちは
まだよかった
気がしてる
街で暮らすうちに
わたしたちは
水平線を見失う
時や場所に気づかない
待ち針を抜くより
刺すことの多い
今日という日を
終えている
曖昧な
わたしを見つめてる
曖昧な水平線は
生の青と
死の青の
見分けがつかない
ひとすじの
線となり
その向こうに
糸で縫い閉じられていく
待ち針のいらない
今日という
その日まで
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