嘘つきの/……とある蛙
嘘つきたくて
小柄な爺の世迷い言
小僧よく聞けこの俺は
15の時には家出して
街から街への放浪暮らし
幾度も幾度も死にかけて
山の上から街を見て
谷の底から月を見て
たどり着いたが
元の家
小僧よく聞けこの俺は
20のころには商売暮らし
仕入れのための旅暮らし
行く先々で買いまくり
世界で一つのものばかり
仕入ればかりでそのうちに
どれがどれだか分けられず
そのまま人にくれたった。
小僧よく聞けこの俺は
40の時には借金し
夜毎夜毎の大尽遊び
女女の毎日で
幾度も人から恨まれて
作った借金5000億
小僧よく聞けこの俺は
50の
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