キャラメル/伽茶
 
忘れたわけじゃないよ

ただ忘れようとしてるだけ

どんなにラララと歌っても

ふと寂しさの穴に落ちるんだ

小さな小さな穴なのに

逆にそれで落ち込んで

圧迫する息を丸呑みして

またひょろひょろとラララと歌うんだ

ポッケに入ってるキャラメルは

口の中で甘くとろけるのに

この暑さでタラタラ頼りなく包み紙にもたれてる

何だか誰かさんみたいだと

ポッケから一つ取り出し皮肉を言ってやるんだ

甘く優しい子なのにさ

叱られたら可哀想かと反省して

一粒口に投げて味わってるうちに

大したことない幸せを思い出して

あの頃に戻りたいと心細くなる

一粒十円なのに生意気な…


素直じゃない私はブツブツと呟いてしまう


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