誰かへの歌/
番田
寂しさの夜を歌おう
ものの寂しさにいつも
消えていくその歌はない
君へと捧げるこの歌を
さび付いた工場の跡地から
寂しさの朝を歌うから
寂しさの歌にいつも
何もあらわれるものすらない
君へと捧げるこの歌を
ああガラスでできた水槽で
寂しさに夜を歌おう
歌の楽しさにいつも
あらわれるものすらなかった
窓のオペラハウスを借り切って
ああ夕暮れの見える部屋で
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