残酷な華/
中原 那由多
あの華に棘があるのは
私の手を赤くするため
いっそのこと、握り締めてしまえば
淡い心地を棄てられると
私に語ってくれないか
真実を述べることで報われるのは
私でないことは確かでしょう?
偽りの記憶
鎮痛剤は冷たく廻る
幻覚に愛を注ぎ
現実逃避と否定され
逃避する現実もないままに
ゆっくりゆっくり溺れてく
醜い私は幸せを求めてしまったから
もう、罪を償うことはできない
まだあの華は残酷だけれども
それは生きるためだから
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