短冊と落とし文月/透明なラーメン/海里
ビルごとの風鳴りを聞きながら
青い空に思う
ラーメンが食べたい
スープも麺も具も
全て透明なラーメン
もちろんラーメンと名がつくからには
美味しくなければいけない
ありんこリリー、教えて
そのためには何で出汁をとればいい
透明なラーメンなんて
本当は人間のレシピの中にはないんだ
昼行灯仕立てのヒトでいっぱいの
立体人体交差点のど真ん中
中空にまでも言妖が
駄文爆弾を配ってる
書くための規矩はいつも
致詩量に足りなくて
それでもけれどあれが
透明なラーメンの作り方だったらいいのに
短冊と落とし文月
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