海へ行こう/まさたか
 
海へ行こう

冬の、風の穏やかな日に
波の音がすべてを包み
古い貝殻からは異国の歌が聞こえる
覗き込んだ水底には静寂とざわめく生命が
見上げた空はどこまでも突き抜けて青く

足跡は消えて
世界が遠くなる
手をつないで歩こう
良く晴れた午後の陽射しはきっと優しい
凍りついた心もゆっくりと溶かす

果てのない夢の時間が砂時計の砂のように静かにつもり
話すことはどれもとりとめがない
それはきっと沈黙さえ
いとおしさに満ちて

僕は
君を見ている
こんなにも近くで
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