残照/唐草フウ
大好きなあなたと
笑顔をともに重ねたい
陽の見えない換気窓から
影とほんのり外界の時を伝える
*
枝豆をパチン・パチン
鋏でとってゆく
土のにおいが
なぜか懐かしく
ゆらめいて記憶が
たからものの在処はいつ
忘れたのだろう
( 忘れたふりをしているのだろう)
もう昔のことを
許してもいいと、思う でも
足で踏み入ることは
針の山よりも険しい
(そう、思っている)
*
残照は想い出の端くれに
消えることなく跡を続ける
その中に今のわたし
迷ったりしないように
あなたを道づれにして
遊びながら 忘れてゆく
(忘れてゆくふりをして)
暮らしのなかに
残った日照りを感じるなら
おもいだしてほしい
すこしの戯れも
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