血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)/ホロウ・シカエルボク
老いてゆくのだ、ふふふ、ははは、愚かしい!本当に愚かしい!お前は道の上に足跡を落としてきたつもりででもいたのだろう、振り返ってみろ、全ては雨に流されている…灯りを消すのが早すぎるぜ、なにか納得のいくことがここ数時間の中に落ちてでもいたのかい、いっぱしの人間みたいに何かを成し遂げたつもりででもいたのかい、ええ、役立たず…窓の外の雨はやんで、呑気な虫どもが一斉に声をあげている、その声を聞きながら―お前もひとつ泣いてみちゃどうだ、愚かさを恥じることはない、どこのどんな場所にだって、そんな見世物を受け入れてくれるもの好きは居るものさ、お前はただ吐き出すだけでいい、吐き出すのなら思い切りやるほうがいい、思考
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