血飛沫(稚拙に書きつけられた譜面のような肉体の中の豪雨)/ホロウ・シカエルボク
 
騰した血液が血管を破って、頭蓋骨のなかで溢れかえるまでみっともなく喚くがいい、お前は逃げられない、お前は逃げられない、それは選択する余地すらない、第一煮え切らないお前の物腰じゃ、ケツをまくって逃げるような真似は出来やしないだろう、お前は強欲さ、逃げられはしないんだ、そうら喚くがいい馬鹿ったれ!お前の人生は道化に過ぎない!誰かが笑わざるを得なくなるまで、無様に喚き続けるがいい!降り続けるんだ、降り続けるんだ、豪雨に掻き消されないように、もっと、もっと、もっと、もっと!―用意されているものばかりさ、心など捨てろ、流れはあるべき地形の中を流れてゆくばかりだ…見届けたかったろ、見届けたかったんだろ、そいつがどこに向かって流れてゆくのか、それは死なのか、変容し続けるひとつの生なのか―身体で知ることが出来るまで終わることはないのさ、お前はそれを身体で知ることが出来るのさ、願ったことは必ず本当になる、だけど思い通りに運ぶわけじゃない…愚かしい馬鹿ったれ、それでもお前は愛するだろう、まぼろしのようなあのたった一瞬の核心のことを、笑ってもらえよ、愛してやるぜ……








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