真空林檎についての考察/within
ものであるのか?
その赤い表皮の向こう側に詰まっている果肉の密度はどれほどのものなのか?
私の頭の中にあるイメージによってしか推し量ることができない
目の前にはその林檎はないのだから 齧りついたときの歯触りさえも
真空林檎は語ってくれない
しかし 永遠に存在しないが 真空林檎の実存が否定されているわけではない
たしかに私が見つけ出し わたしの中にイメージがあるのだから
真空林檎は 語られるのを 待っている
そして 頬張られるのか それともこのまま腐りゆくのか
それは あなた次第である
あなたの想像力という手が 真空林檎を掴みさえすれば
全ては 思いのままに
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