砂 火 木 曇/木立 悟
 
着いたときには
向こう側は無く


空と海
ふたつの花
二十数名のための日記を燃やし
あなたの石と川を弔う


おりがみで
空をおった
手のひらに
消え去った


それはあなただけの海なのだ
机の四肢に
ふとわだかまる空なのだ
冬を分けて 冬を避けずに


けだものが片目に話しかける
到くのはにおいばかり
夜の虹のにおいばかり


真夜中の水
半分の紙
降りつづく
青と灰の導入部


川の両岸
舞のしずく
あなたに触れる
あなたは変わる


灯しても灯しても見えないひと
見ようとしなければ見えるひと
わたしのまだら
わたしのはざまに遠去かる
































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