砂 火 木 曇/木立 悟
 





いとなみのなかの火の合い間に
そそがれる水の熱さを見ている
波に至る前の波
拙いはじまりのはじまりを見ている


橙色が溶けてゆく
水は
話しつづける


霧から生まれる息がつらなり
見えないままに栄えている
青 冬
ふりかえる 白


狭まる 狭まる
光の水音
あなたがわたしではないへだたりへ
ただただただただ降りそそぐ


胸は沈み
胸は呼吸し
閉じたまぶたの色を聴く
泡と声と虚の部屋に笑む


あなたは
わたしの水たまりに居た
わたしは見つめた
淵を見つめた


会話
線と羽を透る光
橋わたし 着い
[次のページ]
戻る   Point(2)