ワルツ/xxxxxxxxx
 
絶望の夜に生まれてきたわたしの
千切れた翼をそっと撫でて欲しい


満月の夜には傘を差して歩こう
堰き止めた心が零れてしまうから
吐き出した言葉が砕けた鏡のように
いくつものわたしを誰かに映してる

そんなのはわたしじゃないと
砕けば砕くほど増えてゆく嘘

だから踊ろうよ 全て無かったことにして
そしてあなたの背中に そっと爪を立てるの


空に落ちてゆく逆様の重力
昨日見た夢は芽吹かずに枯れた
砂で築いた城が流されてゆくように
いくつものわたしが浮かんでは消える

これがわたしなんだと
叫べば叫ぶほど遠ざかる真実

だから踊ろうよ 全部放り出してさ
そしてあなたの瞳に 私だけを映すの


だけどわかってるの
“明日”がどんなに脆いものかって
だから今だけは
踊ろうよ ワルツを

そして刻みつけるの 軽やかなステップで
“今”だけあればいいの 朝が来ないとしても だから
絶望の夜に生まれてきたわたしの
千切れた翼をそっと撫でて欲しい



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