クロール/遊佐
 



海面を泳ぐ光の青を捕まえようとして手を伸ばしてみる
伸ばしても
伸ばしても
届かない両手をばたつかせて
それでも懸命にもがく君の
溺れそうな
沈みそうな平泳ぎが僕は好きなのさ

夏はもう、
すぐ其所に在り
青い光のカーテンを潜れば
水の上のいたる所に揺れている
キラキラの無数の煌めき
ユラユラ揺れる好奇心の輝き


諦めを決めて膝を抱いたままならきっと
何処までも
何処までも
深く沈んでしまうだろう
恐れを抱いて
其処に漂い続ける危なっかしい君の立ち泳ぎが
今の僕には懐かしくもあるのだけれど


泡になってしまうかも知れないなんて
でもそれは
おとぎ話のお話で
海の懐にに抱かれた君は
ただ、
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