悲しみ/吉岡ペペロ
 
きょうぼくのからだは

悲しみにつまっている

表面張力いっぱいで

すこしでも揺れたらこぼれそうだ


きっと何十年まえ、何百年まえにか

おなじ日に

悲しみにあふれた日があったのだろう

月や虫の音や風の触りや

木々の声や大気のなかに

その追憶の気配が漂っている


きょうぼくのからだは

悲しみにつまっている

表面張力いっぱいで

すこしでも揺れたらこぼれそうだ
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