悲しみ/
吉岡ペペロ
きょうぼくのからだは
悲しみにつまっている
表面張力いっぱいで
すこしでも揺れたらこぼれそうだ
きっと何十年まえ、何百年まえにか
おなじ日に
悲しみにあふれた日があったのだろう
月や虫の音や風の触りや
木々の声や大気のなかに
その追憶の気配が漂っている
きょうぼくのからだは
悲しみにつまっている
表面張力いっぱいで
すこしでも揺れたらこぼれそうだ
戻る
編
削
Point
(3)